町指定無形民俗文化財 野里の道イリク
指定年月日 昭和51年7月20日
野里の道イリクは、鉦鼓と太鼓を用いる点では、屋良のチンクと相通ずるものがあるように思
われる。しかし、この二つの芸能には大きな相違点がある。星良のチンクはあくまでも出陣の時
に気勢をあげるためで、一方、野里の道イリクは凱旋の引き際の芸能であるといわれている。
この道イリクは野里の伝統芸能として、昔は旧暦8月の村芝居でよく演じられたということで
あるが、戦後の空白時代を経て、昭和48年頃復活され、最近では野國總管まつりの他に野里共進
会の芸能祭、各種祝賀会等で上演されるようになった。
衣装は、着物の上から帯を締め、黄色の腰ひもを結んで垂らし、紫の鉢巻き、赤いたすき、白
黒の脚絆、白足袋といういでたちである。真夏の上演は着物の変わりに白ズボソ、白ジバンとい
う着付けに変わることもある。
人数は、太鼓打ち9名、鉦鼓打ち3名の計12名が基本型とされているが、最近は太鼓打ちが増
えて計13~15名でやるようになっている。
野里では、鉦鼓打ちは一族一門の人が代々受け継ぐならわしになっているという。